2007年07月21日
ハテルマギリ【島の名を冠した海岸樹木】

臨海部のものは、葉はコーティングされているようにツルツル

白い花が咲く

海岸から林地に入ったところのものは、葉に細かい毛が生えていた
その名も「ハテルマギリ」。島の名を冠した樹木が観光客の多い浜辺に広く育っていることは、あまり知られていません。決して珍しい植物ではないので、ぜひ探してみましょう。








ペムチ浜。ペムチ浜の群落のものは、葉の表面が海岸に近いほど光沢があり、陸側で茂みに入るほど椋毛になっています。



つやがあり大きな葉はアカメイヌビワかオオバイヌビワに似ていますが、白い花が咲くのでイヌビワが属するクワ科ではありません。

名前は、波照間島で初めて採集されたことに由来します。宮古、石垣、西表、波照間島以南の熱帯アジアおよび豪州、太平洋諸島では、ハワイイを除く地域の海浜地帯の低地林に自生する常緑小高木です。マーシャル諸島の切手にもなっています。分布北限の八重山諸島では、海岸林の縁に普通に見られます。
樹高10mに達する常緑樹で、葉は対生葉序ですが、托葉が非常に大きいため本葉と見分けが付かず、一見すると輪生葉序のように見えます。葉身は広倒卵形で長さ30cmになるものも。表面は無毛で、裏面には軟毛が生えます。一般的には表面に艶があり、側脈が目立っています。ペムチ浜の群落のものは、葉の表面が海岸に近いほど光沢があり、陸側で茂みに入るほど椋毛になっていました。
花は枝先から出る4−20cmの花序に付き、長さ2.5〜4センチほどの細い管の先に長さ6−10mmの4−9片に分かれた花弁が開きます。全体に白または淡黄白色で、芳香があり、外側にはベルベット状の軟毛が生えます。
果実は偏球状で熟すと茶色になり、水に浮き海流にのって漂着したところで根付きます。直径2〜3cmの卵形で中に大きな種子があります。ほとんどが果肉(外果皮?)が取れて繊維質の中果皮が見えている状態で、その繊維質も取れて木質の内果皮が露出しているものも見られます。種子はさらにその中にあり、数個が入っています。

材は黄色で赤色の縞があり、英語名の「ゼブラ」は、この模様によって付けられたそうです。材質は並だが環礁では非常に重要で、家やボートの部品、釣り竿や家具などに使用できるとのこと。樹皮は衣類の染料になったようです。




Posted by We are OKINAWAN-KOBE at 00:00│Comments(0)
│島の樹花